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ブックカタリスト

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面白かった本について語るポッドキャスト&ニュースレターです。1冊の本が触媒となって、そこからどんどん「面白い本」が増えていく。そんな本の楽しみ方を考えていきます。

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  • 20 episodes
  • fortnightly
  • Avg 1 hr 9 min
  • Japanese
  • September 22 · 1 hr 16 min

    BC148

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は『労働の思想史』について語りました。 前回の『戦争の思想史』に続く、思想史シリーズの第2回。(全3回予定) 今回は「戦争」に比べて歴史だけの要素は少なかったんですが、逆に自分は「歴史」中心に読んでいて、それを面白く感じた、というのは中々に面白い体験でした。 たぶん自分は、世間の平均から見て、労働というものをかなり低く見積もっていると思ってるんですが、この本を読んで改めて自分の特性に自信を持つことができた気がします。 きつい仕事をしている人が偉いとか、そもそも働かないやつは怠けているとか、そういうのは全部歴史によって育まれてきた「今の価値観」でしかない。 働くことを過剰に「上に見てしまう」傾向に歯止めをかけるためにも、こういう本をもっと広めねばならん、ということを感じました。 ブックカタリストで紹介した本一覧 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • September 8 · 1 hr 2 min

    BC147『哲学の始め方』『バラバラな世界で共に生きる』

    今回は2冊セットシリーズの第五回として『哲学の始め方 (ハヤカワ新書)』と『バラバラな世界で共に生きる: リチャード・ローティの哲学 (NHK出版新書 760)』の二冊をからめて紹介しました。 共に「哲学」の本ではありますが、異なるアプローチで書かれています。『哲学の始め方』は懐疑論と格闘する哲学の実践を示すもので、『バラバラな世界で共に生きる』は、ローティという哲学者の紹介です。ぜんぜん違うとは言えば違うでしょう。 しかし、共に「会話」ということば(概念)がキーになっている点に注目し、二つの本をつなげてみようと試みました。ちなみに、二つの本の「会話」はまったく同じ意味というわけではありません。しかし、「会話」という同じ言葉が使われている。そこに越境=誤配の可能性がある、というのが言葉というものの面白さだな、と思います。 収録時に使った読書メモは以下からご覧いただけますので、書誌情報などもそちらからご確認ください。 ◇ブックカタリストBC147用メモ | 倉下忠憲の発想工房 ジグザグ・モデル 私は誰かに命令されるのが大嫌いなのですが、その感覚を内省してみると、「相手の原理を押しつけられている感じがするから」というのが理由なのだろうと思います。こっちにはこっちの原理があるんだよ、と言いたくなる。 ローティの『偶然性・アイロニー・連帯: リベラル・ユートピアの可能性』を読んで、ズギューンと心を打ち抜かれたのは、彼が異なる原理の存在を肯定していたからです。だって、プラトンなんてイデアですし、哲学王による国家の運営ですし、詩人は追い出されるわけで、全体的から「異なる原理など認めんぞ!」という雰囲気がプンプンと漂ってきます(学術的な読解でどうなっているのかはわかりません。あくまで雰囲気です)。 多かれ少なかれ、「真理」を探究するとそのような姿勢になるのでしょう。だって真理ですからね。そこに”ノイズ”がまざっているわけにはいかない。そのような態度があり、おそらくは長く続いてきて(これも印象です)、ある段階からその姿勢に「水を差す」ような人たち──たとえばデリダやレヴィ=ストロース──が出てきた、という構図で今のところは理解していますが、とりあえず「単一の原理ですべてを説明し尽くそうとしない→ことばづかいをおしつけない」というのは私好みの姿勢です。 一方で、そうした真理の探究が無為なのかと言うと──ウィトゲンシュタインは無為だと言うのかもしれませんが──おそらくはそうではないでしょう。たしかに真理が見つかれば、人類の会話は終わってしまうわけですが、2000年以上に及ぶ思弁においても結局「真理」は見つけられなかったわけですから。むしろ、真理が決して見つけられないものだとするならば、「真理の探究」は、会話を続けるための一つの舞台足りえるのかもしれません。 ただしその思弁が、公の場に提出されたら、という条件がつきます。自分ひとりで閉じこもって「真理」を探究していくことは、二重の意味で弊害があります。一つは、それが人類の会話への参加になっていないこと。もう一つは、懐疑論的な思考の「沼」に嵌まり、日常的な会話=他者の価値そのものが、その人の中から損なわれてしまう可能性があること。この二つです。 実際、私の20代の頃は、哲学的・文学的「イキり」みたいな状態になっていて、ひとりで考えるのがよいのだ、他人との会話なんて邪魔なものでしかないというかなり非日常的な価値観に染まっていました。今考えると愚かしすぎて頬が赤く染まってしまいます。自分が何を分かっていないのかも分かっていなかったのです。 とは言え、その期間に熟した実が、今の私の活動に影響を与えていることは間違いありません。個人的・私的な領域で──つまりドアを閉じて──考え込むことと、公共的・共有的な領域で──ドアを開いて──話をすることは両方があっていいのだと思います。 (ブックカタリストという場は後者をつくっていることに改めて注目してもいいでしょう) 千葉雅也さんの『勉強の哲学』でも、いったんキモくなってから帰ってくるという道筋が示されていますが、ようは二つの領域を往還する──私の語彙で言えばジグザグに動く──ことが大切なのだと思います。 これは二項対立でもなければ、弁証法でもありません。脱構築ですらないでしょう。単にジグザグに動くというだけです。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • August 25 · 1 hr 10 min

    BC146『戦争の思想史』

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は『戦争の思想史――哲学者は戦うことをどう考えてきたのか』について語りました。 前回から、読書自体の新しい試みとして「ごりゅごの生成AI読書術」を試行錯誤しているんですが、今回の本は非常に新しい試みを実験するのに向いている本でした。 目次に沿って、ある人物が戦争について何を考えたのかを確認し、気になった言葉を生成AIとの対話で掘り下げていく。 生成AIは、聞けばなんでも答えてくれる。しかし逆に、聞かなければ何も言わない。 この本は、一つ一つの内容が「詳しくない」が故に、自分が気になることを、気が済むまで質問するという「生成AIに質問する材料とする本」として、非常に素晴らしかったのです。 今回紹介した書籍のリンクなどはこちらから→📖ブックカタリストで紹介した本 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • August 11 · 1 hr 10 min

    BC145『懐疑論』『科学否定論はなぜ人を引きつけるか』

    今回は二冊セットシリーズの第四回として、『懐疑論』『科学否定論はなぜ人をひきつけるのか』の二冊を取り上げました。 哲学方向と科学方向と若干の違いはあれど、重要な部分は共通していると思います。 収録に使ったメモは以下からご覧いただけますので、書誌情報もそちらを参照ください。 ◇ブックカタリストBC145用メモ | 倉下忠憲の発想工房 真実をめぐる冒険 インターネット以降、専門家の権威が崩れてしまい、またフェイクニュースや詐欺的な活動の勃興も相まって、何かを素朴に信じることができなくなりました。 陰謀論や科学否定論にはまっている人を「信じやすい性質」だと理解することが多いかと思いますが、よくよく考えれば、私たちは科学的な通説を当たり前のように信じているわけです。それに対して疑義を持っているのがそうした人たちで、むしろ「疑いやすい性質」を持っていると理解したほうが良いでしょう。 でもって、専門家の権威が崩れたということは、「専門家に任せておけば安心」という信頼の構造が崩れていることを意味しています。そうなると不安が生じ、「正しいこと/真実」がよりいっそう強く求められることになる。 そのときに、その不安を解消してくれる人が現れたら、私たち人間はそこに引き寄せられるでしょう。「あいつらは現実のことをぜんぜんわかっていない」と強い声で批判し、「正しいことはこれだ」と断言してくれる声は、不安でいっぱいな心を愛撫してくれるはずです。不信感を共有するコミュニティの出来上がりです。 ようは、私たちが今置かれている情報環境と人間の心理をまったく無視して「正しい証拠を提示すれば問題は解決する」というアプローチでは問題は解決しないばかりか、まさにそうしたアプローチが不信感・不安感を増長させていることに目を向ける必要があります。 「正常・異常」のような規範性を持ち出さなくても、懐疑や科学否定論にはまることによって生きづらさを抱えている人がいたら、その人をケアするという姿勢を持つことはできるはずです。そのためには、人の話を聞き、こちらの話も聞いてもらうというコミュニケーションの基本がとても大切になってくると思います。 その他の回: This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • July 28 · 1 hr 5 min

    BC144『人類帝国衰亡史』

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は『人類帝国衰亡史』について語りました。(後編) 今回はアフタートークで語ってた「おまけばなし」なんですが、ここでも言いたいのでその話を。 最近の新しい「趣味」として、Substack配信をどこまで自動化できるか、というのを頑張っています。 特に完全に自動でやれそうなのが、サポーター特典の「アーリーアクセス」をいかに完全自動で配信まですませるか。 今現在、理論的には「だいたい同じ時間に終わる」ので、そのタイミングでスケジュールタスクが起動して、Zoom録画を見に行く。そしてそれをsubstackサーバにアップして、テキスト埋め込んで、そのまま配信。 イマドキの生成AIなら、そんなこと超余裕でできるよね、って頭で思っているし、実際かなりいい感じに進んでいくんですが、それでもまだ「案外難しい」というのがよくわかる。 将来的にAIが進歩すれば、どんどん簡単にはなるんだろうけど、でもそれもやっぱり「これを自動にしたい」と思うことや「自動にするという行為」自体にはなんらかの「仕事」が必要になるわけで、そう考えるとまた変な話なんだけどそこは人間の仕事に入る分野のことなんだよなあ。 そんなことを考えながら、もう数時間この自動化作りに知恵とエネルギーを対句しています。 お知らせ 📖ブックカタリストで紹介した本のページを、大幅にアップデートしました。 これもまたごりゅごの趣味の結晶。ブックカタリストで紹介・言及した本(たぶんほぼ全部)をサーチして、Kindleストアでセールされてるとそれをお得率順に並べてくれます。これを書いてる今現在「ズッコケ3人組」シリーズがセールしているという、超懐かしい現象が発生中。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • July 14 · 1 hr 8 min

    BC143『言語化するための小説思考』と『理系の読み方』

    今回は、二冊セットシリーズの第三弾として、『言語化するための小説思考』と『理系の読み方: ガチガチの理系出身作家が小説のことを本気で考えてみた』の二冊を取り上げました。 収録で使ったメモは、以下からご覧になれます。 ◇ブックカタリストBC143用メモ | 倉下忠憲の発想工房 それぞれの本の内容よりも、お二人の作家さんに興味を持っていただけたら嬉しいです。 読むことと書くことの呼応 文章を書くという行為は、たいてい誰かに読んでもらうことが意図されます。個人的な手紙なら具体的な人物でしょうし、作品の場合は不特定多数の人間となります。どちらにせよ、そういう人に読んでもらって、文章はその意義を真っ当できます。 だから、読むことと書くことは呼応します。どう読まれるかを考えないと、どう書くかを検討できないからです。 ところで、どう読まれるのかが完璧に演算できるなら、この環は閉じます。そう読まれる通りに書く。言い換えれば、読まれるようにしか書けない。そこでは新しい表現は生まれてこないでしょう。 実際は違います。その文章がどのように読まれるのかを完璧に演算することはできません。個人レベルでもそうですが、不特定多数ならよりいっそう不可能です。だからこそ、誤配が生じる。そこから新たな「読み方/読まれ方」が立ち上がっていく。 一方で、ぜんぜんまったくわからないということもありません。全体として見たときの統計的な読まれ方の傾向、というのはたしかにあります。それを完全に無視して書けば、前衛芸術とすら呼ばれない代物ができあがるでしょう。 新しいものを生み出す人たちというのは、そのような二者のバランスの間をジグザグしながら採り続けている人たちなんだろうなと思います。 分析と「書いてみる」という実験 本編でも出てきましたが、ある状況を設定し、そこからどうなるのかを見守りながら、伏線や意味を(後づけで)見出していく、という書き方を二人の作家は採用しているわけですが、これはもちろん思考法でもあるわけです。 よく「書いて考える」という言い方をしますが(書きながら考えるという言い方でもいいです)、そこで行われているのはそのような「シミュレーションを動かす」に近いものです。 つまり、思考する→書く→思考する→書くという風に「書くこと」と「考えること」を交互に行うのが「書いて考える」ではありません。そうではなく、脳内である状況をシミュレーションし、そのシミュレーションを前に進めることを「書くこと」を通して行うのが、「書いて考える」なのです。 残念ながらそのプロセスは完全に脳内で進んでいくので、今こうして言葉で説明すること自体難しさがありますが、頭の中ですっかり思考を終えたものをただ紙の上に移すのでもなく、何も考えずにただ文を紡ぐのでもない、中間的な思考法が「書いて考える」です。そこでは、脳と文が相互に作用することで、思考のプロセスが前に進んでいきます。 だから文がただあるだけでは「書いて考える」は行えません。文から刺激を受け、次の文を生み出そうとするプロセスの中に「書いて考える」があります。だとすれば、生成AIが生成した文章を眺めているだけでは「書いて考える」にはならないでしょう。そうした点は注意したいポイントです。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • June 30 · 58 min

    BC142『人類帝国衰亡史』

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は『人類帝国衰亡史』について語りました。 今回は、実験としてClaude Opus と対話しながら読書メモを作る、というのを試してみました。 そして、それを元に「語る」ことをやってみました。 良し悪しの判断というのはお聴きいただいた皆様にお任せするとして、ごりゅごとしては主観的に「新しいことやった楽しさ」にはあふれていた、という感じです。 ブックカタリストで紹介した本ページ、めっちゃ改善しました また、これも本編とは直接は関係ないところですが、📖ブックカタリストで紹介した本の中身を大幅にアップデートして、142回、これまで言及した本が(ほぼ)すべて参照できるようにしました。 アフタートークで触れた本も合わせると、4桁に達する分量になっています。 これが蓄積の力なんや。生成AIの力なんや、というのを思い知った感じです。こういうのが現実的な作業量で作れてしまうのが、生成AI時代の楽しさですねえ。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • June 16 · 56 min

    BC141『置き配的』と『「手に負えない」を編みなおす』

    2冊テーマシリーズの第二弾です(第一回は以下)。 今回は、福尾匠さんの『置き配的』と友田とんさんの『「手に負えない」を編みなおす』の二冊を紹介しつつ、そこにある共通的なテーマを取り上げてみました。 プラットフォームが前提の社会において 収録時に参照したメモは以下に置いてあるので、書誌情報などはそちらでご確認ください。 ◇ブックカタリストBC141用メモ | 倉下忠憲の発想工房 私たちは、プラットフォームが前提の社会に生きています。SNS的言論空間だけでなく、ITサービスそのものが全般的にその方向に進んでいます。企業が作った土俵の上で生活しているといっても過言ではありません。 その上で、言論的空間のプラットフォームは私たちにある傾向を持たせようとします。プラットフォームにとって「好ましい」立ち振る舞いをそれとなくするように環境設計するのです。 はっきりそれをしろ、と命令するまでもありません。”適切”な報酬を見つけ出し、効果的なUIを構築すれば、ユーザーは自ずからそうした行動をとるようになります。大量のA/Bテストと、私たちの即時のフィードバックが「どんな機能が誘導において有効か」という問題を進化論的に解決してしまうのです。 BC034『啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために』 で「外部足場」という概念を紹介しましたが、そうした外部環境は自らを好ましい方向に拡張していくためだけに機能するものではなく、ある種のデバフ的効果も持ちえるものです。 だからこそ、私たちは何かしらの「対抗策」を持っておいた方がいい。 SNSをまったく使わなくても話はかわりません。私たちの身の回りは重商主義ならぬ重消費主義で満ちあふれていて、物事の価値や意義が経済性のみで測られます。私たちが社会=関係の中で生きていく以上、仮に自分がだけがそうした刺激から解放されたとしても、この社会の有り様はぜんぜん変わらないのです。 もちろん、そんな大きな問題を快刀乱麻に解決できるはずがありません。だからといって、何をしても無駄、ということはないでしょう。きっと手に負えないけども、手当てくらいはできる、ということがあるはずです。 別にそうしたプラットフォーマーを悪だと断じる必要はないのです(そもそも、その物の見方はあまりにも単純です)。それよりも日常に向ける目線、自分が感じる価値を多様に構築していく。それで人々の日常生活が少しでも変わるなら、まわりまわりまわりまわりまわりまわって、やや大きな何かが変わるかもしれません。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • June 2 · 1 hr 12 min

    BC140『世界自炊紀行』と『理系の料理』

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は倉下さん二冊テーマシリーズに乗っかって、ごりゅごも(無理矢理)2冊テーマ。世界自炊紀行と『理系の料理』の二冊を取り上げます。 前半は、理系の料理の著者として、当時から自分がどんな風に変化してきたのか、といった話をサラッと。 そして、そこからは世界自炊紀行を通じて感じた「規範に縛られない自炊」についていろいろ考えた、という感じでした。 少なくとも現代でも「生きる」ために生物は食べないといけないし、今のところまだ生成AIはごはんをつくることはできない。 そういった観点から見てもやはり「食べる」テーマは強いし、誰にでも刺さるコンテンツだよな、ということも感じます。 今回紹介した書籍のリンクはこちらから →📖ブックカタリストで紹介した本 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • May 19 · 1 hr 7 min

    BC139『ケアと編集』と『遊びと利他』

    今回から2冊テーマシリーズを始めます。第一回は、『ケアと編集』と『遊びと利他』の二冊を取り上げます。 二冊テーマシリーズとは “二冊テーマシリーズ”は、一見異なる二冊の本から共通的なものを取り出そうという試みです。読書の醍醐味の一つです。 そうした「取り出し」を行うには、まず本の外側に立つ必要があります。本の中に閉じこめられていると「その本」しか目にはいりません。そうではなく、より広い視野で本を捉え、位置づけること。 ただし、手前勝手に位置づけるのは厳禁です。読むときは本の世界に入り込み、読み終えた後でその外に出て考える。言い換えれば、一人の著者が言わんとしていることを捉え、また別の著者の言わんとしていることを捉え、その二つを呼応させる。そういうアプローチです。 もちろん、誰がどう見ても同じこと言っているよね、という二冊を取り上げても面白みはありません。かといってどれだけ言葉を尽くされてもその二つがつながっていると理解できないものは受容はされないでしょう。 「一見すると」遠いような、しかし読んでみると納得できる程度の距離感を見つけるのが書き手・語り手としての腕の見せ所です。 入れ子状の構造 といったことが、知的に面白いのだよ、と示す為にまさにそういうことを行っている二冊を今回は取り上げました。それが『ケアと編集』と『遊びと利他』です。 タイトルが示すように、それぞれ「ケアと編集」と「遊びと利他」のつながりを示している本です。つまり、一見すると異なるトピックが結び合わされています。 そのような本二冊から共通するテーマを取り出そうとする、という入れ子状の構造になっています。 (文字で書いて説明していても、こんがらがってきますね) 意図・意志・支配・管理・効率…… 実際どんな風に語って、要素を取り出しているのかは本編をお聴きいただくとして、重要なのは単一の主体の「思った通りにする」ことの貧しさです。 私がある種の自己啓発に拒否感を覚えるのはこの点で、「思考が現実化する」ことが嬉しいことのように語られることがあるわけですが、自分の思考ってバイアスだらけで、ろくな想像力をしていないわけですから、その通りになるのは現実を「自分の思考の枠組み」に抑えこむのに等しいのです。ぜんぜん嬉しくありませんね。 でもってこれは、強引にたとえるならば、「単一意志の独裁政権」と言えます。独裁政権がヤバイことが直観的に理解できるなら、単一意志の思い通りになる(思い通りにしかなっていない)ことのヤバさもイメージできるかもしれません。 でもって、独裁政権はある観点で言えば、圧倒的に効率が良いのです。だって、トップが決めたら、他の誰も口を挟むことはできません。会議も打ち合わせも根回しも妥協もいらないのです。それが最高効率を実現させるのだとしても、長期的にみてそれでいいと言えるのかどうかはちょっと考えた方がよいでしょう。 管理や効率は、部分的に効いているならばうまく働いてくれます。でも、それが全体を支配し、「それって変じゃないですか」と誰も言わなくなったら、危険度が増します。 倉下は片方では、そのような効率化への工夫を好んでいますが、もう片方ではそのようなものが支配的になることへの警戒感を持っています。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • May 5 · 1 hr 15 min

    BC138『中国思想の基礎知識』

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は『中国思想の基礎知識』について語りました。 前回紹介した『経験する機械』が「脳科学系の集大成」というイメージの本であるならば、今回紹介した内容は「自分が若い頃に好きだったことの集大成」という感じの本でした。 小学生の頃に三国志にはまって、そこから春秋戦国時代の本(主に宮城谷昌光氏の小説)をたくさん読んで、そこからいろいろいろいろ。 よく考えると最近はこういう集大成ばかりやな?みたいなことも感じるんですが、そういう時期みたいなのがあるんでしょう。 今回紹介した書籍のリンクなどははこちらから(今作っている最中です)→📖ブックカタリストで紹介した本 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • April 21 · 1 hr 5 min

    BC137 薄い本を読む

    今回は、「薄い本を読む」をテーマに、読書初心者向きのレーベル・シリーズを紹介しました。ちなみに、135回の続きのつもりです。 知的好奇心、あるいは知的背伸びとして、難しい本に取り組むのもよいと思います。一方で、それが無理そうならばぐっと簡単な本に手を伸ばすのも懸命な判断です。初心者だから薄い本から読むべしという規範ではなく、「まあ、こういう本から手に取ってみてもいいんではないでしょうか」という提案として聴いてもらえればと思います。人間はその二つをジグザグに進みながら、”読書技能”を高めていくものです。 名前を挙げたレーベル・シリーズについては、以下のページでテキストとしてまとまっていますのでご興味あればご覧ください。 ◇BC137メモ 薄い本を読む | 倉下忠憲の発想工房 ちなみに、水声社さんの本はAmazonでは買えないので、書店か公式のサイトからどうぞ。 倉下流読書理論 第135回と今回は、「倉下流読書理論」の構成素材について少し語っています。本をどう読むのか、という話ですね。 その「理論」は、一冊一冊の本をどう読解していくのかというレイヤーと、複数の本をどう渡り歩いていくのかというレイヤーの二層で構成されていて、それぞれがお互いに影響を与え合っているのがポイントです。 また、「何のために本を読むのか」という目的論的分析も欠かせません。そう考えると、読書のノウハウって存外に複雑です。 どこかの時点で、そういった話を一冊の本にまとめたいとも考えております。請うご期待。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • April 7 · 1 hr 12 min

    BC136 『経験する機械』

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は『経験する機械』について語りました。 個人的にはこの本は(著者は哲学者だけど)「脳科学系の集大成」というイメージの本で、BC035 『情動はこうして作られる』なんかとも強く繋がる(本編でもこの著者の名前がよく出てくる)ものでした。 本編でも語ってるように、やっぱりめっちゃむずかしい本なんですよ。わからん部分は、いっぱいあった。 でも、ちょうど倉下さんが紹介してくれたBC135 難解な本を読む技術とも繋がるんですが、難しい本は難しい本で、読めないわけじゃなくて、やっぱりこれは苦労しただけの面白さがある。 主観だけど、これ一冊をきちんと読んで、それによってめっちゃ賢くなったと思えている。 そういう本を、私は読みたい。 今回紹介した書籍のリンクなどははこちらから→📖ブックカタリストで紹介した本 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • March 24 · 1 hr 6 min

    BC135 難解な本を読む技術

    今回は倉下が、『難解な本を読む技術 (光文社新書 406)』と『難しい本を読むためには (ちくまプリマー新書)』の二冊のさわりを紹介しながら、難しい本を読むときのポイントを確認しました。 本を読むことの多様さを捉えたい 本編でも触れましたが、最近の倉下のテーマは”「本を読むことの多様さ」を語りたい”です。 読書についてさまざまな言説があるわけですが、そのどれか一つが正解なのだと特権化するのではなく、そのようなさまざまな人と本との関係の総体こそが「読書」という営みなんだ、と言いたいわけです。 その上で、じゃあ自分はどんな風に本との関係を結んでいこうかと考えることができればバッチリですね。 でもって、それぞれの関係にズームすればそこまでややこしい話にはなりません。個別の読み方において安定的なスタイルは確認できます。一方で、別の関係を覗いてみるとそれとはぜんぜん違うスタイルが実践されていて、その二つが相反することも珍しくないのです。 その意味で、そこに広がっているのは「読書の多様体」だと言えるでしょう。全体そのものはとても複雑で、でも局所化すればある程度平易な説明が可能である。そういう見立てです。 というわけで、今回は多様な読書のうち、「自分の身の丈を少しだけ越えている本」を読むための技法を紹介している二冊の本を中心に紹介しました。 どちらもきわめて実践的な内容で、「自分の身の丈を少しだけ越えている本」(長いので「背伸びする本」と呼びましょう)を読むときの大きな助けになってくれると思います。それぞれの本は、もちろん読みやすく書かれているので、初心者読書家にも安心です。 それぞれの読書にあった方法で 結局のところ、「一読してわかる本」を読むのと同じスタイルで「背伸びする本」を読んでもうまくわからないのは当然です。別に頭が悪いわけでも、読書が苦手なわけでもありません。適切な方法に習熟していないだけ。 もちろん方法に習熟すれば、すべての読みが可能になるというものではありません。つまり、どんな本でもすらすらと「わかる」ようにはなったりしません。単にそれに合った「読み方」が可能になる、ということです。 手持ちの読み方が限られていると、「一読してわかるように書かれた本」しか楽しむことができません。これは、趣味としての読書を考えてもちょっと寂しい感じがします。教養を得るためとか、正確に原典を理解するためとかではなく、読書という行為の楽しみを広げる意味でも、いろいろな読み方ができるといいな、と思います。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • March 10 · 1 hr 10 min

    BC134 アメリカの文化と歴史を過去から現代まで

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は「アメリカ」について語りました。 今回は、2026年最初のBC131 短歌を学ぶで倉下さんが実践していた「複数冊の本を横断して語る」というスタイルに影響を受け「ごりゅごが好きor興味を持ったアメリカの文化」をテーマに3つのコンテンツを繋げて語りました。 今回のトピック * 反知性主義(森本あんり著): トランプ支持層の背景にもある「知性と権威の癒着への反抗」。アメリカ建国以前から続く、不安を癒やす装置としての特殊な宗教観と「リバイバリズム(信仰復興)」の波が、いかにアメリカ人の行動原理になっているか。 * はじめてのアメリカ音楽史(J・M・バーダマン、里中哲彦著): 奴隷労働から生まれたワークソングや黒人教会の音楽が、ラジオと電化という技術変化を経て、いかに「フォーマット」として統一され、世界的なポップ・ロックへと進化したか。 * 2026年スーパーボウル: 最新のハーフタイムショー(Bad Bunny)に見る、アメリカ文化の変節点。全編スペイン語のパフォーマンス、演出の「スマホ・メディア前提」へのシフト、そしてプエルトリコという政治的背景を背負った強烈なメッセージ性。 1冊を深掘りするのとはまた違う、「無理やりに関連性を見つけ出し、一つの文脈として立ち上げる」楽しさを詰め込んだ回です。 今回紹介した書籍のリンクなどははこちらから→📖ブックカタリストで紹介した本 参考資料・リンク * 書籍: * 反知性主義――アメリカの正体 (新潮選書) * はじめてのアメリカ音楽史 (ちくま新書) * 配信: コテンラジオ「リンカーン編」 (話の前提としてお勧めしたシリーズ) * 動画: Bad Bunny | Super Bowl 60 Halftime Show 関連エピソード * BC131 短歌を学ぶ * BC132 音と脳 (「聞くこと」の歴史的な深さなどに触れた回) This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • February 24 · 1 hr 22 min

    BC133『カウンセリングとは何か』

    今回は大きく二部構成です。 先日新書大賞2026を授賞した『カウンセリングとは何か』の紹介をメインとし、その前段階として著者の東畑開人さんの著作を紹介します。 著作リスト * 『美と深層心理学』(京都大学学術出版会、2012年) * 『野の医者は笑う』(誠信書房、2015年)→文春文庫 * 『日本のありふれた心理療法―ローカルな日常臨床のための心理学と医療人類学』(誠信書房、2017年) * 『居るのはつらいよ―ケアとセラピーについての覚書』(医学書院、2019年) * 『心はどこへ消えた?』(文藝春秋、2021年) * 『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』(新潮社、2022年) * 『聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書 1686)』(ちくま新書、2022年) * 『ふつうの相談』(金剛出版、2023年) * ・ブックカタリスト(BC072『ふつうの相談』/Sep 12, 2023)で紹介した * 『雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら』(KADOKAWA、2024年) * 『カウンセリングとは何か 変化するということ』(講談社現代新書、2025年) (wikipediaを参考に作成しました) 『野の医者は笑う』は人文的読み物として、『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』は(ある種の)自己啓発的読み物として、『聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書 1686)』は(ある種の)ノウハウ本として楽しめると思います。 でもって、これらの著作の集大成的雰囲気をまとっているのが『カウンセリングとは何か』です。 カウンセリングとは何か 本書は、実直に「カウンセリングとは何か」を説明してくれる本です。 新書なので一般向けの内容であり、カウンセリングという専門分野に興味を持っている人と共に、これから(ユーザーとして)カウンセリングを利用しようと思っている人にも、「こういうことを、やっているのです」とガイドしてくれています。 どちらの意味においても、「カウンセリング」と親しくなれる本だと思います。 ポッドキャスト本編では足早に第二章までの内容と、第三章のさわりを紹介しました。でもって、私が特に重要だと感じたのが、カウンセリングの専門性はどこにあるのか、という点です。 答えは、アセスメント。 単純な”知識”だけならばインターネットで(あるいは生成AI)で手に入る環境において、ユーザーの状態・状況を観察し、分析した上で、適切な方法を考えること。さらに、その内容を相手に共有し、進め方を一緒に考えていくこと。そのような臨床的・現場的・実践的な技術があるからこそ、専門家は専門家足りえてるのだとしたら、私たちはあらためて専門家の価値を再認識する必要があるでしょう。「知識」があればいいというものではないのです(もちろん、知識がなければ成立すらしないわけですが)。 本書を読んでさまざまなことを学び、考えましたがましたが、広い意味での知識労働者において大切な姿勢を一番深く受け取ったかもしれません。 (収録時に使ったメモはこちらからご覧いただけます) This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • February 12 · 1 hr 6 min

    BC132『音と脳』

    面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。 今回は『音と脳』について語りました。 「視覚優位」と言われる現代社会ですが、実は脳の進化において聴覚は視覚よりも遥かに先輩であり、その処理速度は桁違いの速さ(1000分の1秒単位)を誇ります。本書『音と脳』で特に衝撃的なのは、「読むこと」と「聞くこと」の意外な関係です。ヒトの脳に「文字を読む機能」は備わっておらず、私たちは聴覚処理の回路を借用して文字を読んでいます。つまり、音のリズムや微妙な違いを聞き分ける「聞く力」を鍛えることが、結果として読解力や言語能力の向上に直結するのです。 番組では、脳の可塑性を引き出すには受動的なBGMではなく「能動的な演奏」が必要であることや、現代の「騒音」が脳のリソースを常に削いでいる問題、そしてオウムが音楽に合わせて踊れるのは「リズムによる未来予測」ができているからだという興味深い研究など、知られざる音と脳の関係について語り尽くしました。 ちなみに、本編公開中に思いだせなかった「踊れる鳥」のSnowballはこんな感じです。けっこう衝撃を受けるレベルで「すげえ」って思うんじゃないかと。 今回紹介した書籍のリンクなどははこちらから→📖ブックカタリストで紹介した本 参考資料・リンク * 書籍: 音と脳――あなたの身体・思考・感情を動かす聴覚 * 動画: Snowball (cockatoo) - Wikipedia * Backstreet Boysに合わせて踊るオウム「スノーボール」の動画と、それに関する研究(Aniruddh Patelらによる Current Biology 掲載論文 “Spontaneity and diversity of movement to music are not uniquely human”) * 理論: The OPERA Hypothesis * 音楽の訓練がなぜ言語処理能力を向上させるのかを説明する Aniruddh Patel の仮説。(Overlap, Precision, Emotion, Repetition, Attention) 関連エピソード * BC131 短歌を学ぶ This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • January 27 · 1 hr 9 min

    BC131 短歌を学ぶ

    今回は、「短歌を学ぶ」をテーマに語りました。 倉下は、基本的にことばを使った表現(文芸)に興味があり、いくつかは自分でも行っているのですが、「短歌」とだけは今まであまり仲良くなれていませんでした。学校のクラスで、なんとなく気になっているけども話しかけられないでいるクラスメイト、みたいな距離感です。 そんなとき、浦川通さんの『AIは短歌をどう詠むか』を読み、”短歌らしさ”をどう作っていくのかという模索を知ることができました。生成AIに短歌を詠ませられるようにする試行錯誤は、そのまま人間がいかに「短歌らしさ」を立ち上げていくのかの知的なプロセスの探求に重なるのです。 すでに短歌に親しんでいる人が、もっと短歌がうまくなるように、という「初心者向け」ではなく、そもそもとして「短歌らしさ」という感覚──認知的なスキーム──がまだ十分に育まれていない人がなんとかその入り口に立とうとするという「入門者向け」として、『AIは短歌をどう詠むか』はとても役立ちました。 そして、その延長線上に穂村弘さんの『はじめての短歌』も位置づけられるのですが(詳しくは本編をお聴きください)、本書から学んだことはもっとラディカルな姿勢でした。いかに「社会的」なものとは違う価値を立ち上げるのか。これは短歌に関わらず、「個人的な制作・創作」全般に通じる話だと感じます。 社会的な通念にしたがって、何かをつくるのではなく、ひどく個人的な価値観で何かをつくること。それを可能にする個人的な制作。 それを可能にするのは、孤独な制作ではなくそれを受け取る人があってこそ、というのは短歌が詠むものであり、読まれるものでもある、という二重性と関わっていると感じます。 今回のメモは以下のページにまとめました。ひどく個人的なページです。 ◇ブックカタリストBC131用メモ | 倉下忠憲の発想工房 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • January 14 · 1 hr 11 min

    BC130 2025年の配信を振り返る(後半)

    新年がスタートしました。 年末恒例の「一年の配信を二人で振り返ってみよう」企画の後半戦は年をまたいでの配信です(案外これは良いかもしれません)。 今回は、2025年の7月から11月までの配信を振り返りました。 もしご興味あれば、以下のリンクからそれぞれの配信に飛べますのでチェックしてみてください。 * 2025年07月01日 BC117『締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか』 * 2025年07月15日 BC118 いま、あえて芥川賞を読む * 2025年07月29日 BC119『ゼロからの読書教室』から考える「本の読み方」 * 2025年08月12日 BC120 2025年上半期の振り返り * 2025年08月26日 ゲスト回BC121 五藤晴菜さんと『書いて考える技術』 * 2025年09月09日 BC122『私たちの戦争社会学入門』 * 2025年09月23日 BC123『「書くこと」の哲学』 * 2025年10月07日 BC124『ランニングする前に読む本』 * 2025年10月21日 BC125『とっぱらう 自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』 * 2025年11月04日 BC126 『汗はすごい』 * 2025年11月18日 BC127『哲学史入門Ⅳ』 * 2025年12月02日 BC128『NEXUS 情報の人類史』 読み手のプリズム 自分で話していて気がついたのですが、「書き手としても面白く読みました」という発言をよくしています。本を読んでいるときは、意識していないのです。ただ読んでいるだけ。でも、無意識の構えとして「〜〜として読む」というのが働いているようです。 一介の読者として、純粋に読む。同じ書き手として、「書き方」に注意を向けながら読む。その分野の初心者として、教えを請うかのように読む。 このような姿勢・構えの違いで、本から得られる成分というのは違ってきます。 つまり、一冊の本というオブジェクトがあり、そこに自分というオブジェクトが接触したら「内容」という均一のデータが取得できる、というのではなく、あたかもプリズムのように向ける角度によって得られるものが違ってくる、というイメージです。 こういう角度で読んだらこういう面白さがあるし、別の角度で読んだらまた違った面白さがある。 これが読書の楽しみでもあり、またそういう読み方が多くできるほどその本は豊かな内容を含んでいるのだと言えそうです。さらに言えば、他の人に向けて「こういう角度で読んでみたら面白よ」と伝えるのが批評という仕事なのだとも思います。 それとは別の「〜〜として読む」もあります。たとえば「教養書として読む」とか「小説として読む」とか「SFとして読む」とか「前衛小説として読む」といったことです。これも構えの一つですね。こうした構えによっても、読書体験は違ってきます。 たぶんさまざまな読書術(ペンを引く、メモを取る)のもっともっと手間に、こうした「〜〜として読む」という話があるのだろうと思います。 PC環境のアップデートで、音がブツ切れになっていました。再度配信いたします:ご This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

  • Dec 16, 2025 · 1 hr 11 min

    BC129 2025年の配信を振り返る(前半)

    いよいよ、12月です。 年末恒例の「一年の配信を二人で振り返ってみよう」企画。今回は、2025年の1月から6月までの配信を振り返りました。 もしご興味あれば、以下のリンクからそれぞれの配信に飛べますのでチェックしてみてください。 * 2025年01月28日 BC106『訂正可能性の哲学』と自己啓発 * 2025年02月11日 BC107 『結婚の社会学』 * 2025年02月25日 BC108『「学び」がわからなくなったときに読む本』 * 2025年03月11日 BC109『脳と音楽』 * 2025年03月25日 BC110『エスノグラフィ入門』 * 2025年04月08日 ゲスト回BC111 えむおーさんと『庭の話』 * 2025年04月22日 BC112 『脳と音楽』後編 * 2025年05月07日 BC113『読書効果の科学: 読書の“穏やかな”力を活かす3原則』 * 2025年05月20日 BC114『イスラームからお金を考える』 * 2025年06月03日 BC115『心穏やかに生きる哲学』 * 2025年06月17日 BC116『体内時計の科学』 自分を揺さぶる読書 本編でも「学び」について触れていますが、本を読むことは、知らなかった知識が増えて、+1賢くなった、みたいなことだけが効能ではありません。仮にそうしたものを雑学的効能と呼ぶならば、「えっ、そんな考え方があったの!?」と驚き、今までの自分の価値観・物の見方に再編を迫られるような経験が得られることも効能であり、「学び」の第一歩はそういうところから始まるのではないかと思います。そうしたものは変身的(メタモルフォーゼ)効能と呼べるかもしれません。 そうした効能を得た直後は、私たちは言葉を失います。今までの語彙ではそのこと(経験や本そのもの)について語ることができなくなるのです。しかしまったく語れないわけではありません。それを語るための言葉を集め始める・つくり始める必要があるというだけです。 安直な言語化信仰が危ういのはこの点です。そんなに簡単に言語化できるなら、たぶん何も変身は起きていません。単にそれまでの自分の思いを強めただけです。 言葉にならないような経験があり、それでもなお、それを言葉にしていこうと時間をかけて取り組むときに生じる振動があって、それがネットワークを大きく組み換えていくのだと思います。 これは、知識を増やして賢くなろう的な教養主義ではなく、自らを変化にさらしていくというプラグマティックな生存戦略です。「生きる」ために切実に必要なのです。 というわけで、次回は2025年の後半の振り返りです。 ちなみに去年の振り返りは以下です。 告知: 第七回のJAPAN PODCAST AWARDSの投票がスタートしております。 ◇第7回 JAPAN PODCAST AWARDS 「一次選考」投票フォーム もし当ポッドキャストを気に入っていただけているなら投票お願いいたします。 This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe

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