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面白かった本について語るPodcast、ブックカタリスト。今回は倉下が二冊セットシリーズ第六弾として、『ヒトとAI (岩波新書)』と『つくることとAI 生成と複製のあいだで』の二冊を紹介しました。
書誌情報およびメモ
二冊の書誌情報および、収録時に使用したメモについては以下のページからご覧いただけます。
二種類の方向性
二つの方向があるように思います。一つは、自動化重視・均一化受容の方向。もう一つは、プロセス重視・個別性受容の方向です。それぞれを象徴的な言葉で表すならば「事務と創造」となるでしょうか。
どちらも社会を構成する営みであり、欠かせないものと言えますが、現代的な風潮では前者のアプローチが重視されているように感じます。それに、自動化の方向であったとしても、『ヒトとAI』が示すように監査における判断の役割はなくしきれません。「事務」だけで片づくとは言えないのです(現場の事務でもたくさんの判断が随所で行われていると思います)。
ポイントは二つの「原理」を維持しておくことにあるのでしょう。どちらか一方を採用するのではなく、相反する原理を共に採用すること。それは{公共的なものと個人的なもの}、{生き延びるためのものと生きるためのもの}、{会話の次元と言葉そのものの次元}といった形でさまざまな領域にさまざまな形で存在しています。そのような相対するものが内在している状態こそ、調和の取れた形ではあるのでしょう。
しかし、テクノロジーとそこから要請される制度は一方の原理により重きを置くように動くことが多い点は否めません。特に、テクノロジーと資本主義のかけ算は、「それ以外の原理」を圧倒的な勢いで刈り取っていくような雰囲気すら感じられます。ある種の略奪機械です。
だからこそ、反対側の原理をしっかりとサポートしていく必要があるのだと思います。しかしそれは、単にもう片方の原理を否定すればいい、という話ではありません。そういう単純な”革命”は、かえって複数の原理性を殺してしまうでしょう。
必要なのは、広くゆっくり考えることであり、それは私たちが現代生活においてますます無くしつつあるものなのかもしれません。
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