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人気案件ほど、VCは時間をかけて調べない。直感に反するようでいて、投資の現場にいる人なら思い当たる節があるかもしれません。
今回は、香港大学のジャック・フーとペンシルベニア大学ウォートン校のルシアン・テイラーによるワーキングペーパー「Due Diligence and the Allocation of Venture Capital」を取り上げます。匿名化されたスマートフォンの位置情報とPitchBookのデータを組み合わせ、米国の約2万1000件の投資案件(2025年7月版の分析)を対象に、投資実行前18カ月間にVCとスタートアップが対面で過ごした時間を推計した研究です。人気案件、ホットなセクター、多忙な投資担当者、遠い距離といった条件でDDが短くなること、そしてDDの長さと平均リターンには明確な関係が見られない一方で、DDが短いほど結果のばらつきが大きくなることを紹介したうえで、測定方法の限界、競争環境とFOMO、対面でしか得られない情報とは何か、という話をしています。
▼ 今回のトピック
VCのデューデリジェンス(DD)を「対面時間」で測るという発想
スマホ位置情報からVC社員・スタートアップ社員の端末を推定し、面談を検出する手法
測れているのはDDの一部:オンライン会議、リファレンスチェック、財務分析は対象外
調査ベースの平均118時間に対し、対面で捕捉できた案件は平均32時間(2025年7月版)
人気案件、ホットなセクター、多忙なVC、遠い距離──DDが短くなる4つの条件
2021年の過熱期とDDの短縮
DDの長さと平均リターンに明確な関係はなく、短いほど結果のばらつきが大きい
コロナ期間やリモートへの置き換えによるサンプルの偏りをどう見るか
「その場で決めてほしい」シード投資の現場と、日本の投資家の意思決定スピード
資金調達側にとっての、競争環境づくりという戦略
上場株投資のデスクトップDDとの比較:データが揃うレイターと、経営者を見るシード
対面でしか得られない情報とは何か:経営者の人となり、オフィスで確かめる事実
▼ 参考文献
スピーダスタートアップ情報リサーチ
https://jp.ub-speeda.com/solutions/startup/
Due Diligence and the Allocation of Venture Capital
https://www.nber.org/papers/w33987
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