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秦の始皇帝の時代、山に逃げ込んだ女性が松と柏の葉だけで生きのび、見つかったのは200年以上あと――そんな伝説が残っていることをご存知ですか・・・?
もちろん伝説ですが、それだけ松が「長寿の象徴」として語り継がれてきたということです。前回のクマザサに続いて、今回は「クマザサ・松葉・朝鮮人参」のもう一つの主役、松葉を詳しく解説していきます。古い書物の記述から、台湾や韓国で行われた現代の研究、そして意外と大事な選び方の注意点まで。
▼今回お話ししていること
・松と柏は“木の王様” ― 中国の古い書物に残る長寿の象徴
・秦の始皇帝の時代から伝わる、松葉の伝説
・古書の「五臓が整い、寿命が延び、毛が生える」の意味とは
・動脈硬化の3つの段階すべてに関わるという台湾の研究
・韓国の研究 ― 中性脂肪・毛細血管の血流・血小板
・森林浴の香り成分と、松葉を選ぶときの注意点
古い医薬書に記された松葉の働きは、「五臓の調子が上がる」「胃腸が守られて飢えない」「寿命が延びる」、そして「毛が生える」。書物によっては“緑の毛が生える”とも書かれていて、これは長寿の亀に生える緑の藻のこと。髪の話であると同時に、長生きの象徴でもあったのです。現代の研究では、血管まわりの報告がよく知られています。動脈硬化は、コレステロールが酸化し、それを取り込んだ免疫細胞がふくらんで血管にコブをつくり、炎症が起きるという段階を踏みますが、松葉から抽出したエキスはこの3段階のいずれにも関わるという台湾の研究があるのだそうです。
韓国でも研究が進んでおり、中性脂肪が下がる、毛細血管の血流が良くなる、血小板が固まりにくくなる、血圧に関するデータもあるといいます。クマザサと同じく葉緑素を大量に含むため抗酸化の面でも注目され、動物実験では体内の抗酸化酵素が増えたという報告も。さらに面白いのが香りです。森林浴でストレスホルモンが減るとされる、あの香り成分が松葉にも含まれており、中国では心が参ってしまったときの素材としても用いられてきました。ただし注意点がひとつ。松葉は松明になるほど油が多く、空気中のものをよく吸着します。空気の汚れ具合を調べる指標に使われるほどですから、道路や工場の近くの松は避け、山奥の澄んだ空気の中で育ったものを選んでください。
飲んでよし、香ってよし。そして、どこで育ったかまで含めて選ぶこと。身近な木が持つ力に、あらためて驚かされる回です。
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