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2025 年,第 66 回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(弘前)
シンポジウム:更年期障害を女性医学と心身医学から診る
更年期障害に関連する諸要因とその治療戦略
Jpn J Psychosom Med
66:114-120, 2026
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/66/2/66_66.2_114/_pdf/-char/ja
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**更年期障害の心身医学的アプローチ**
10月18日の「世界メノポーズデー」およびメノポーズ週間にちなみ、学会論文の知見をもとに更年期障害に対する心身医学的な捉え方と治療戦略を解説します。
**1. 更年期障害の定義と症状**
更年期とは閉経前後の約10年間を指し、この時期に現れる器質的異常では説明がつかない日常生活に支障をきたす不調を「更年期障害」と呼びます。したがって、更年期から外れた年代での症状は別疾患を考える必要があります。代表的な症状には、ほてりや発汗などの血管運動神経症状(VMS)がありますが、それにとどまりません。めまい、動悸、頭痛、肩こり、関節痛、冷え、疲労感といった身体症状に加え、不安、抑うつ、不眠などの精神症状も多岐にわたります(日本人女性向け評価表には21項目もの多彩な症状が挙げられています)。
**2. 病態の捉え方(BPSモデル)**
更年期障害は、生物・心理・社会(BPS)モデルで捉えることが極めて重要です。卵巣機能低下に伴う女性ホルモンの減少(生物学的因子)だけでなく、個人の性格やストレス耐性(心理的因子)、家庭や職場環境の変化(社会・環境的因子)が複雑に絡み合って発症するため、心身症的な側面を強く持っています。
**3. 診断と鑑別**
確定診断となる単一の検査基準はありません。質問票等で全体像を把握し、ホルモン検査も参考にしますが、数値のみで判断・否定はできません。また、甲状腺疾患など症状が類似する他疾患を慎重に除外する鑑別診断が不可欠です。
**4. 治療戦略と目標**
多角的なアプローチが必要です。
* **傾聴と共感:** 周囲に理解されない孤立感が症状を悪化させるため、まずは話を聴き共感することが治療の土台となります。
* **生活習慣の改善:** 規則正しい生活リズム、睡眠、適度な運動を整えます。
* **心理療法:** 認知行動療法(CBT)などの心理的アプローチの有用性が示されています。
* **薬物療法:** ホルモン補充療法(HRT/MHT)を中心に、漢方薬や、精神症状に応じたSSRI等の向精神薬が用いられます。また、新規の非ホルモン系治療薬(フェゾリネタント等)の開発・普及にも期待が寄せられています。
治療目標は「症状の完全消失(ゼロ)」に固執することではなく、生活の質(QOL)を高め、日常の困りごとを解消していくことにあります。