
[EP42] イエローストーン回1日目:圏外の車内でスターリンクとAGIを語る
アメリカ・シアトル郊外で働く日本人エンジニア、コモダ&イワイが、今回はまさかの車中収録。ワイオミング州のイエローストーン国立公園を南へ走りながら、完全に圏外の車内でiPhoneのオフライン録音をまわしています。前半は、公園そのものの話。縦2時間・横2時間という桁違いのスケール、8の字型の主要道路、北側から入って泊まったマンモスホットスプリングスは「でっかい別府」だったという感想から、硫黄泉と黄色い段々、土砂降りの中の観光まで。日本人なら絶対に穴を掘って温泉施設を作っているはずなのに、ここには入れる温泉がない——という気づきから、アメリカ人と風呂文化、乾いた空気とお湯のありがたみの話へ。本当は沖縄で収録する予定が台風で飛んだ結果このイエローストーン回になった、という裏話も挟みつつ、走行中にはバイソンも登場します。 道中で盛り上がるのが、2車線のオールウェイストップ(4-way stop)問題。「先に着いた人から進む」はずのルールが、同じ方向に2台並ぶと途端に破綻する——これはキューの設計とフェアネスの問題では?とエンジニア2人がつい真顔で議論します。さらに、標高7,500フィートの薄い空気とコロラドの高地トレーニング、引退後にRVで国立公園を巡る老後、そして圏外が生んだスターリンクの話へ。光ファイバーを引くより衛星を打ち上げた方が安いというアメリカの田舎事情から、東京の「密度の豊かさ」とアメリカの「分散」、新幹線が成立する日本と飛行機で点と点を結ぶアメリカ、宿場町が育たない国土——日米の文化差は地政学にかなり帰着するのでは、という話に広がります。 後半は一転して、AIと知性の話。「喋ったことを後でAIに検証させたい」という雑談から、成果物だけAIに作らせて本人は理解していない問題、人類の知識は衰退するのかという不安へ。そこでコモダが持ち出すのが、「いずれAIが『人間の脳に遺伝子を入れるのが一番効率的です』と言い出すのでは」という仮説。フィジカルAIがまだ赤子であることを踏まえると、ゼロから作るよりAGIとバイオテクノロジーが手を組む方が早いのでは——という、なかなかマッドな未来予想です。 締めは、テレンス・タオが書いた「AIと数学コミュニティ」の論文の話。数学者の仕事にはプロブレムソルビングと理論構築という車輪の両輪があること、AIが全部できるようになった前提で我々は何をするのかという問題設定、そしてブラックボックス化したAIが自ら作る理論を人間の言葉に翻訳する「神託を受ける人たち」のコミュニティ。オンザジョブトレーニングが消えた世界で、教育のやり方そのものを変えなければいけない——という話をしているうちに、目的地のオールドフェイスフルに到着します。 湯気の立つ大自然と、圏外の車内と、AGIの話。ぜんぶ地続きになっている不思議な一本です。 00:00 オープニング:走行中のイエローストーン車内から収録 05:24 物価が意外と安い/国有地と土地所有の話 07:13 別府との違いは「入れる温泉がない」こと 10:13 バイソンとノリスガイザー、オールウェイストップ問題 15:30 風呂文化と乾いた空気、日本の温泉宿が恋しくなる 18:30 標高7,500フィートと高地トレーニング 21:23 圏外とスターリンク、ロードトリップの車内生活 23:19 日米の違いは地政学に帰着する説:新幹線と飛行機 25:58 光ファイバーより衛星が安い田舎、小笠原諸島はどうなのか 28:04 グランドプリズマティックと、娘を連れてくる口実 30:00 AIに検証させたい/理解しないまま成果物が出る問題 31:24 仮説:AIが人間の脳をいじり出す日 33:54 創発と未解決問題、AIはどこまで来たのか 35:49 数学者の仕事とAI:問題を解くことと理論を作ること 38:32 神託を受ける人たちと、これからの教育 41:20 オールドフェイスフル到着、エンディング
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