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米メタが開発した自律型の人工知能(AI)エージェント「Muse(ミューズ)」が、日本でも使えるようになりました。質問に答えるだけでなく、旅行の予約やメールの送信など、利用者に代わって実際に作業を進めるAIです。9月の北米公開から約6週間で利用設定者は1000万人を突破。10月23日には日本でもサービスを開始しました。
米国では早くも株式市場を揺さぶっています。米証券大手チャールズ・シュワブや資産運用会社のアメリプライズ・ファイナンシャルの株価も下げて反応しました。金融だけでなく、保険や旅行予約など幅広い企業の株価に売りが広がりました。なぜ、一つのAIアプリがこれほど多くの業種に影響するのでしょうか。私たちはもっと有利な商品やサービスがあっても、面倒だからと同じ会社を使い続けがちです。AIが比較や乗り換えを代行するようになれば、こうした消費者の行動が大きく変わる可能性があります。
AIとの連携がどこまで新たな収益につながるのか、市場の評価はまだ定まっていません。
今回、特に注目したのが銀行預金への影響です。10月の米大手銀行の決算説明会では、AIエージェントによって預金が高金利の口座へ流出するのではないかという質問が相次ぎました。
バンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は、顧客が銀行を選ぶ理由は金利だけではないと説明。ウェルズ・ファーゴのチャーリー・シャーフCEOも、預金の大量移動への懸念は行き過ぎだとの見方を示しました。一方、JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、外部AIに銀行システムへの自由なアクセスを認めるわけにはいかないと警戒しています。
コンサルティング会社大手のマッキンゼーによると、世界の個人預金約70兆ドルのうち、約23兆ドルがほとんど金利の付かない当座預金に置かれています。この5〜10%が高金利の商品に移るだけで、銀行業界全体の預金関連利益が20%以上減る可能性があると試算しています。
そもそも銀行は、預金者から預かったお金を企業に貸しているわけではありません。銀行は、融資によって新しい預金を生み出しています。「銀行は預金を集めて貸している」というよくある誤解もほぐします。
銀行が預金を生み出せるのなら、なぜ預金流出が問題になるのか。ここには銀行の資金調達と金融規制の仕組みが深く関わっています。
AIエージェントが普及すれば、銀行預金の移動にスマートフォンを操作する必要すらなくなるかもしれません。これは預金者にとって便利になる一方、銀行の経営や金融システムの安定性にも新たな課題を突き付けます。
■目次
00:30 米の知事選、AI規制への警戒
03:58 メタのMuse、日本でも利用開始
05:20 米金融株が急落のAIショック
07:01 メルカリ急騰、日本株への影響
10:24 銀行預金がAIに奪われる?
15:23 銀行は「預金を集めて貸す」の誤解
19:40 シリコンバレー銀破綻と金融規制





