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1. 概要と背景
デジタル庁は、全府省庁の約18万人の政府職員を対象とする政府共通の生成AI利用環境「ガバメントAI 源内」の整備を進めています。人口減少社会における公共サービスの維持・強化を目指し、政府自らが先導してAIを活用することで行政業務の省力化と質の向上を図るとともに、特定事業者への過度な依存を避ける「AI主権(AIソブリンティ)」の確立を重視しています。
2. AIエージェント利用環境の導入
従来の対話型チャットや定型アプリに加え、自律的に複数工程を実行可能な「AIエージェント」の利用環境として、以下の2機能が展開されています:
- エージェントチャット:Web画面から手軽に指示を与え、情報整理やデータ分析、文書・資料作成、コード実行などを自律的に自動実行させる環境。
- 源内工房:自然言語による指示でプログラミング、ファイル操作、Web検索を通じた多段階調査(Deep Research)、動作するWebアプリ等のプロトタイプ構築を自律的にこなす高度な開発・実行環境。
一般職員が日常業務で利用できる政府共通基盤として、約18万人規模で高度なAIエージェント環境を導入する取り組みは世界初とされています。
3. 暗黙知の形式知化と「源内ライブラリ」
各職員が培ってきた業務手順や判断基準などの暗黙知を、AIが実行可能な手順として可視化したものを「スキル」と定義しています。作成されたスキルやデータセットを府省庁横断で共有・再利用できる「源内ライブラリ」を整備し、重複開発を防ぎながら政府全体のナレッジを「集合知」へと発展させる仕組みが構築されています。
4. 安全性とガバナンス:「源内基準」の策定
実行処理の範囲が広いAIエージェントを安全に運用するため、AIセーフティ・インスティテュート(AISI)の協力を得て「源内基準」(ガバナンス・セキュリティ・セーフティに関する基準)が策定・公表されました。
- 主体別の責務規定:「利用者」(政府職員等)、「管理者」(CAIO・PMO等)、「源内開発者」(デジタル庁担当者)の3主体ごとに遵守事項を定めています。
- セキュリティ・データ保護:ガバメントクラウド上の国内データセンター内で処理を完了させ、入力・出力データを基盤モデルの学習に利用させない契約を締結しています。機密性2情報まで対応可能としています。
- 人間中心のAI利用:AIの処理結果を無条件に受け入れるのではなく、職員が最終判断と責任を担う「ヒューマン・イン・ザ・ループ」を厳格に維持します。
5. 国産モデルの評価とオープンソース(OSS)展開
さくらのクラウド等の国産インフラを活用した国産基盤モデルの試用・客観的評価を進め、国内AI産業の育成や自律的選択肢の確保を図っています。また、得られた知見や成果を社会に還元するため、2027年2月頃を目途に商用利用可能な「源内OSS Ver.2.0」として地方自治体や民間事業者等へ無償公開する予定。
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