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Artwork for CAST AND STORIES /. フライフィッシング・ポッドキャスト
CAST AND STORIES /. フライフィッシング・ポッドキャスト · October 28 · 40 min

#9 佐藤拓哉|サクラマスが教えてくれる、多様性の大切さ

フライフィッシングを愛するすべての人へお届けするポッドキャスト「CAST & STORIES」 第9回のゲストは、京都大学 生態学研究センターで生物多様性や生態系の研究に取り組む佐藤拓哉先生。パーソナリティは、H.I.T. FILMSの岡野伸行さんが務めます。 大阪・岸和田で育ち、幼い頃は昆虫をはじめ、さまざまな生き物に夢中だった佐藤先生。夏休みに訪れた和歌山の山奥。川に潜ると、普段暮らしている場所では見たことのない魚が泳いでいました。その中にいたのが、体に美しいパーマークを持つ渓流魚。 帽子を使って捕まえようとして、もちろん捕まえられない——。 その光景は、ずっと記憶に残り続けたといいます。 やがて大学生になり、自分で渓流へ通うようになった佐藤先生は、魚の暮らしや渓流魚の保全を研究する道へ。 現在研究対象のひとつとなっているのが、アマゴとサツキマスです。同じアマゴとして生まれながら、川に残るものもいれば、海へ下り、まったく違う姿となって帰ってくるものもいる。わずかな成長や環境の違いによって、その後の生き方が変わっていく。 なぜ海へ行くのか。なぜ川に残るのか。 その選択の背景には、遺伝だけでは説明できない、生き物と環境との複雑な関係があります。森から川へ落ちる昆虫がアマゴの成長や繁殖に与える影響。DNAや耳石の分析から探る、長良川のサツキマスのルーツ。そしてダム湖という人間が作った環境によって生まれた、新たなサツマスの生き方。 研究を通して見えてくるのは、渓流魚の儚さと同時に、驚くほど柔軟な生き方でした。 「なるべく彼らが環境の中で選択する多様さを残しておいてあげる」 魚を守るとは、単純に数を増やすことだけではない。さまざまな生き方を選べる環境そのものを残していくこと。そして、その自然の変化に誰よりも早く気づくことのできる存在のひとつが、日々川を見続けている「釣り人」なのかもしれません。 番組後半では、佐藤先生のもうひとつの研究テーマである「ハリガネムシ」の世界へ。 寄生した昆虫を水辺へ導き、その昆虫が渓流魚の重要な餌になる。森と川、昆虫と魚。一見まったく別々に見える生き物たちが、思いもよらない形でつながっていることが研究から明らかになってきました。 さらに話題は、坂本麻人監督のドキュメンタリー映画『サクラマスのラストワルツ』へ。 研究者として作品に関わった佐藤先生が感じた、映画だからこそ伝えられる渓流魚と人間との関係。そして、釣り人だけではなく、釣りをしない人にも観てもらいたい理由とは。 「なるべくゆっくり、生き物を見る時間を持ってほしい」 すぐに答えを求めるのではなく、自分の目で自然を見続けること。その時間の中から初めて見えてくるものがある。幼い頃に川の中で見た一匹の魚から始まり、サツキマス、アマゴ、イワナ、そしてハリガネムシへ。 生き物を見つめ続けてきた研究者・佐藤拓哉先生の「CAST & STORIES」をお楽しみください。 <出演> ゲスト:佐藤拓哉(京都大学 生態学研究センター教授) パーソナリティ:岡野伸行(H.I.T. FILMS) 【タイムスタンプ】 0:00 オープニング 0:45 佐藤拓哉先生と渓流魚研究への道 7:20 サツキマス、そして映画との出会い 12:41 水中から見える魚たちの世界 22:32 釣り人だからこそ、できること 25:02 フィールドワークと魚へのまなざし 33:55 これからの研究と「多様性を守る」ということ 38:27 じっくり生き物を見ることの大切さ

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show notes

フライフィッシングを愛するすべての人へお届けするポッドキャスト「CAST & STORIES」

第9回のゲストは、京都大学 生態学研究センターで生物多様性や生態系の研究に取り組む佐藤拓哉先生。パーソナリティは、H.I.T. FILMSの岡野伸行さんが務めます。

大阪・岸和田で育ち、幼い頃は昆虫をはじめ、さまざまな生き物に夢中だった佐藤先生。夏休みに訪れた和歌山の山奥。川に潜ると、普段暮らしている場所では見たことのない魚が泳いでいました。その中にいたのが、体に美しいパーマークを持つ渓流魚。

帽子を使って捕まえようとして、もちろん捕まえられない——。

その光景は、ずっと記憶に残り続けたといいます。


やがて大学生になり、自分で渓流へ通うようになった佐藤先生は、魚の暮らしや渓流魚の保全を研究する道へ。

現在研究対象のひとつとなっているのが、アマゴとサツキマスです。同じアマゴとして生まれながら、川に残るものもいれば、海へ下り、まったく違う姿となって帰ってくるものもいる。わずかな成長や環境の違いによって、その後の生き方が変わっていく。


なぜ海へ行くのか。なぜ川に残るのか。


その選択の背景には、遺伝だけでは説明できない、生き物と環境との複雑な関係があります。森から川へ落ちる昆虫がアマゴの成長や繁殖に与える影響。DNAや耳石の分析から探る、長良川のサツキマスのルーツ。そしてダム湖という人間が作った環境によって生まれた、新たなサツマスの生き方。

研究を通して見えてくるのは、渓流魚の儚さと同時に、驚くほど柔軟な生き方でした。

「なるべく彼らが環境の中で選択する多様さを残しておいてあげる」

魚を守るとは、単純に数を増やすことだけではない。さまざまな生き方を選べる環境そのものを残していくこと。そして、その自然の変化に誰よりも早く気づくことのできる存在のひとつが、日々川を見続けている「釣り人」なのかもしれません。

番組後半では、佐藤先生のもうひとつの研究テーマである「ハリガネムシ」の世界へ。

寄生した昆虫を水辺へ導き、その昆虫が渓流魚の重要な餌になる。森と川、昆虫と魚。一見まったく別々に見える生き物たちが、思いもよらない形でつながっていることが研究から明らかになってきました。

さらに話題は、坂本麻人監督のドキュメンタリー映画『サクラマスのラストワルツ』へ。

研究者として作品に関わった佐藤先生が感じた、映画だからこそ伝えられる渓流魚と人間との関係。そして、釣り人だけではなく、釣りをしない人にも観てもらいたい理由とは。

「なるべくゆっくり、生き物を見る時間を持ってほしい」

すぐに答えを求めるのではなく、自分の目で自然を見続けること。その時間の中から初めて見えてくるものがある。幼い頃に川の中で見た一匹の魚から始まり、サツキマス、アマゴ、イワナ、そしてハリガネムシへ。

生き物を見つめ続けてきた研究者・佐藤拓哉先生の「CAST & STORIES」をお楽しみください。


<出演>

ゲスト:佐藤拓哉(京都大学 生態学研究センター教授)

パーソナリティ:岡野伸行(H.I.T. FILMS)


【タイムスタンプ】

0:00 オープニング

0:45 佐藤拓哉先生と渓流魚研究への道

7:20 サツキマス、そして映画との出会い

12:41 水中から見える魚たちの世界

22:32 釣り人だからこそ、できること

25:02 フィールドワークと魚へのまなざし

33:55 これからの研究と「多様性を守る」ということ

38:27 じっくり生き物を見ることの大切さ